オリジナルグッズやポスターを作るとき、「せっかくキレイにデザインしたのに、端が切れちゃった…」なんて失敗、ありませんか?
それを防ぐために大切なのが 「塗り足し」というルールです。印刷の現場では基本中の基本ですが、デザイン初心者は見落としがちなポイントです。
この記事では、塗り足しが必要な理由とその作り方、シーン別の注意点を解説します。
塗り足しとは?
塗り足しとは、「実際に印刷されるサイズよりも一回り大きく背景や図柄を広げておくこと」です。
この塗り足し部分は、最終的にカットされて見えなくなる範囲ですが、キレイに仕上げるために必須部分です。
なぜ塗り足しが必要?
カット時のズレ対策
当店ではカットマシンを使用した断裁ですが、それでも数ミリ程度のズレが起きることがあります。
塗り足しがないと、カットした際に背景の切れ端部分として白い余白が見えてしまいます。
立体物の位置合わせ
キャンバスボードなどの立体物は、プリントヘッドと印刷位置の距離が媒体の個体差によって差が生じ、若干のズレが発生してしまうことがあります。
そのような状況も塗り足しがあることで、ズレも自然に見えます。

生地の伸縮対策
昇華転写プリントで印刷する布素材(タオルなど)は転写紙と素材を合わせて熱圧着をするため、素材の伸縮などが原因となり、塗り足しがないと図柄がずれる原因になります。またフチのデザインでも同じことが言えます。
そのため、塗り足しや余白など全体に余裕を持たせた設計が必要です。


どれくらい塗り足しを作ればいいの?
塗り足しの幅(サイズ)は製品素材や印刷方法によって異なります。
印刷物の種類 | 印刷方法 | 塗り足し幅 |
---|---|---|
ポスター・ステッカー・マグネット等 | インクジェットプリント | 3~5mm |
発泡パネル・キャンバスボード・看板等 | インクジェットプリント | 7~10mm |
のぼり旗・のれん等 | インクジェット・昇華転写 | 10~20mm |
タオル・ブランケット等 | 昇華転写 | 20~30mm |
- メイクルでは商品によって必要な塗り足しサイズが異なりますので、各アイテムページ(商品ページ)の「塗り足しエリア」を必ずご確認ください
塗り足しの作り方:ここをチェック!
- 背景や柄を仕上がり線(カットライン)の外(塗り足しエリア)まで延ばす
- ロゴや文字など重要な要素は、安全範囲内(セーフティゾーン)に配置
- 仕上がり線ギリギリの枠取り、余白は避ける

塗り足しが不要なケースもある?
以下のような場合、必ずしも塗り足しは必要ではありません。
- 小さなワンポイントロゴのみの印刷
- 白地のまま余白を活かしたデザイン
- デザインが中央に配置され、周囲に充分な余白がある
ただし、全面印刷をするなら塗り足しは必須。
しっかり準備しておけば、どんな素材でも安心です。
まとめ
- 全面印刷のときは必ず塗り足しを入れよう!
- 「塗り足し」はズレを防いでキレイに仕上げるための安心設計
- 素材や商品ごとに必要な範囲が異なる
- 忘れると“白フチ”や“ズレ”の原因に

「塗り足し」を知っているか知らないかで、仕上がりのクオリティが変わります。
初めての方も、ぜひこの知識を活かして、満足度の高いオリジナルグッズを作ってみてください!